
JST未来社会創造事業 「個人に最適化された社会の実現」領域 千住課題
公開キックオフシンポジウム
多様な子どもたちに寄り添い・支えるデータ活用技術
日時:2026年6月6日 午後(予定)
ハイブ長岡 特別会議室
【お願い】
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日時
2026年6月6日(土)午後(予定)
会場
ハイブ長岡 特別会議室
企画趣旨
日本の子どもたちの精神的幸福度は先進国の中で最低水準であるというショッキングな現状が報告されている。日本の発達支援・教育の現場は、人員不足や専門性の不足で疲弊し、多様な子どもたち一人ひとりの発達に寄り添い、細やかに支えることが極めて困難な状況にある。この現状を打破するため、本研究開発では、多様な子どもたちの育ちやウェルビーイングを見守り、理解し、支えるデータ活用技術(WeBB)の開発を目指している。本シンポジウムでは、WeBBの全体像、中核となるデータ計測・解析技術、支援への援用について概観し、子どもたちの幸せにつながる技術開発の未来像について議論する。
企画
千住 淳(浜松医科大学子どものこころの発達研究センター・教授)
司会
千住 淳(浜松医科大学子どものこころの発達研究センター・教授)
講演
講演1:「子どもの個性とウェルビーイングを支えるデータ活用技術開発」
千住 淳(浜松医科大学子どものこころの発達研究センター・教授)
講演概要
本研究開発では、①マルチセンシングで、子どもたちの育ちや訴え、さらには「声なき声」までをも見える化し、データベース化する計測技術、②子どもたちの個性・ウェルビーイングをリアルタイム且つ自動的に評価・推定する高次データ統合アルゴリズム、③子どもたちのウェルビーイング向上ニーズをデータから検出し、個別最適化された支援へとつなげるプロトコル、の三要素を開発、システム統合し、子どもたちの発達段階に応じたシームレスなデータ活用や支援を可能にするデータ活用技術(WeBB)の確立を目指している。本講演では、WeBB開発の背景と概要について紹介し、乗り越えるべき課題やそれに向けた取り組みについて紹介する。
講演2:「AI動画解析による子どもの個性理解と発達支援」
西尾 萌波(エフバイタル株式会社・執行役員)
講演概要
正確な発達評価は発達の遅れの早期検知・介入の基盤であるが、専門人材の不足が顕著な現状においてその網羅性や正確性が担保されているとは言い難い。本発表では、家庭や保育園、療育施設など日々の場での動画に基づき、乳幼児の発達を言語・認知・運動・社会性の観点から網羅的に評価する技術について紹介する。また、これらの技術に基づくアプリケーションの乳幼児健診や療育場面における活用可能性についても検討する。
講演3:「AI × IoTによるリアルワールドでのこころの客観的評価」
中村 亨(大阪大学基礎工学研究科・教授)
講演概要
ウェアラブルデバイスなどのIoT機器の普及により、リアルワールドで取得される生体情報に基づく心身の状態推定技術の開発が注目されている。我々は、Ecological Affective Computing(EAC)の概念のもと、AI×IoT技術を用いた生態学的妥当性の高い感情状態推定技術の確立を目指し研究開発を進めてきた。特に子どもは、自身の感情や心身の状態を言葉で適切に表現することが難しい場合が多い。EACは、このような対象における日常生活下の状態把握に有用であると考えられる。本発表では、EACに関する研究成果とともに、子どもへの展開を見据えた取り組みについて紹介する。
講演4:「五歳児健診から学校現場までの切れ目ない支援を目指して」
和久田 学 (公益社団法人 子どもの発達科学研究所・所長 / 主席研究員)
講演概要
日本の子供の精神的幸福度は先進国でも最低水準にあり、不登校やいじめ、自殺者の増加は喫緊の社会課題である 。そうした問題を解決するには、子どもの発達に対する科学的な視点と、環境への働きかけの両者が必要である。本講演では、開発された技術をいかに現場のアクションに繋げるかという「社会実装プロトコル」に焦点を当てる。具体的には、五歳児健診の機会を活用したデータの収集とフィードバック、多数の公立小中学校における毎日のアプリ入力を通じた「声なき声」の可視化を紹介し、学校風土などの環境の評価と教職員へのフィードバックの仕組み、を紹介する。計測・解析技術を、教育・保育現場での具体的な支援や環境調整、最適な学びのマッチングへと統合し、乳幼児期から学齢期までシームレスに個性を育む社会システムの展望を議論したい。